【集客・売上アップのヒント #4】売上アップに不景気はそれほど関係はない
自社の商品やサービスを
選んでいただくための
マーケィングのヒント#4
売上アップに実はそれほど関係ない景気動向
景気が良くないと言われて久しいですが、そんな中でも当たり前のように売上を伸ばしている会社は存在します。しかも商品やサービスはその会社しか扱ってものかというとそうではなく、同じような商品やサービスを扱ってるにもかかわらず集客もうまくいき、当然売上も安定的に上がっているという競合会社をご存知の方も多いのではないでしょうか。
そもそも景気が悪いということを要因にしてしまっているということは、
「私は経営に頭を使ってません」
と宣言していると言っても過言ではないのです。なぜなら前述のように同じような商品やサービスを提供している会社は、集客もうまくいき売上も安定的に上げ続けている会社がるという事実があり、あなたの会社がもしも「不景気」を集客アップや売上アップができてないことにつなげているとしたら、それは不景気のせいではなくて、あなた自身や会社、商品やサービスを選ぶ側のお客様に対して、
『買ってみたい! 使ってみたい!!』
と思わせる努力や、あなた自身やあなたの会社、あなたの商品やサービスを「買ってみたい・使ってみたい」という情報を発信できてないだけなのです。
もちろん景気が悪くなることで、今までだったら買っていた食材の質を落としたり量を減らしたりとか、美容院や自分のための投資に繋がる交流会やセミナーへの参加、本の購入などが減るということはあるでしょう。
しかしながら人間の心理として、お金があるからアレを買おうとかコレをしようということではなく、アレを買いたいいくらだろう、コレをしたいいくらだろう。という思考回路・行動パターンになるはずです。
もちろん、「ボーナスが出たからあの服買おうとかあそこに旅行に行こう、あそこの高級フレンチを食べに行こうという行動パターンもありますが、これは欲しかった服があったり行きたい場所があったり、食べたいという欲求がそもそもあったからこそ、ボーナスが出たことがキッカケとなって買うという行動やサービスを受けるという行動に導かれているのです。
もう少し分かりやすお伝えすると、私は三国志が大好きでもしもお金の制限が無ければ幾らかけてでも三国志の時代に生きたいと思ってる人間なんですが、この記事を読んでくださってる方の中で三国志にご興味の無い方、下手をすると三国志って何ですか? という方もいらっしゃるかもしれませんが、そのような方にとってみたら私の気持ちは到底理解し難いもので、景気がメチャクチャ良くなって皆様の年収がもしも今の10倍でも100倍になったとしても、全く三国志に対してご興味の無い方にとってみれば幾ら年収が増えて使えるお金ができたとしても、ご興味が無いものには一円もお金を使いたく無い! という感覚を持たれると思います。
この前提条件に反対をなさる方はおそらくいないはずなので、人がものを買おうと思うときの心理状態としては、まずその商品やサービスを
『使ってみたい』か『使ってみたく無いか』
という判断がなされて「使ってみたい」を思ってくださったが初めて、その商品やサービスの価格に対して
『払いたいたい』か『払いたく無いか』
という判断をするということはご理解をいただけたでしょうか。
人によりお金を使わせ売上アップに導くものは
無くても困らないモノの方
現代の日本に生まれると衣食住に困ることはなく、生活する上で必要なものは手に入れられている状況にあるため、単純にモノを買うだけで得られる喜びというのはそれほど大きものでは無いでしょう。
そもそも何かに悩んでモノを購入したりサービスを受けられる方々は、モノを所有することやサービスを受けることが目的ではなく、購入したモノや受けたサービスを活用してご自身が抱えている悩みを解決して、より快適な状態を得るための手段として商品を購入したりサービスを受けてあるはずです。
その悩みが大きければ大きいほどその悩みを持つ方は、何としてでもその状況を早く解決したいと思うために、自分の悩みを即座に解決してくれると思える商品やサービスがあれば、ある程度の予算はあれど金額はそれほど関係なく商品を購入したりサービスを受けたいと思われるはずです。
以下の例は男性の方には特に思い当たる節があると思われるのですが、学生時代や社会人なりたての時に金銭的余裕が無い時に、彼女であったり彼女にしたいと思ってる方に良いところを見せたるため、日々の食費を切り詰めデートの資金を確保したというご経験をお持ちの方も多いのでは無いでしょうか。
この場合の行動を切り分けると、
日々の食費→生きていくために必要なもの=『ニーズ』
デートの資金→なくても困ら無いもの=『ウォンツ』
ということになり、ニーズを満たすものよりウォンツを満たすモノの方に、人はよりお金をかけるということをご理解いただけると思います。
装飾品や嗜好品と呼ばれるものはまさにウォンツを刺激しているモノの最たる例で、例えば車を『移動手段』と考えた時には大雑把に言うと、アクセルを踏めば進んでブレーキを踏めば止まり、ハンドルを回せば右や左に曲がることができて日差しや雨風を避けることのできる居住空間がさえあれば事足りるにもかかわらず、フェラーリやランボルギーニなどのいわゆる高級外車を求める方がいるのは、『移動手段』ということ以外に所有することで得られる『ステータス』や『優越感』など目に見え無い感情の部分、極端な言い方をすると車に全く興味の無い方からするとどうでも良いと思われることにお金をかけているわけです。
しかもびっくりするほどの大きな金額を。
当然大きなお金を使いたくなるだけの理由をお客様にお伝えし、お客様となり得る方々がそれらを使いたい、所有したいという何かしら感じ取っていただける努力を日頃からすることが売上アップの秘訣となります。
ウォンツを刺激してお金を使いたいと刺激し
売上アップにつなげるためにはストーリーが必要
経営者の方に限らず、自社の商品やサービスを販売したり広く知っていただく立場にいらっしゃる方々は、当然ですが集客アップや売上アップにつながる行動をお客様やお客様となり得る方々にとっていただきたい! という思いを抱くのは当たり前の願望ですよね。
人が行動を起こすには、その行動を起こすための理由を潜在的に探しているそうで、逆に言うと理由さえあれば行動を促す可能性が高いということが言えます。
そのことを裏付ける分かりやすい例をご紹介しましょう。
アメリカの心理学者でエレン・ランガーという方が、コピー待ちの実験で以下のような3種類の尋ね方で譲ってもらえる確率がどれほどなのかという実験をしました。
①要求のみを伝えたパターン
「すみません、5(20)枚なのですが、先にコピーを取らせていただけませんか」
②譲っていただくために【本当の】 理由を伝える
「すみません、5(20)枚なのですが、『急いでいるので』先にコピーを取らせていただけませんか」
③譲っていただくために【もっともらしい】 理由を伝える
「すみません、5(20)枚なのですが、『コピーを取らなければならないので』先にコピーを取らせていただけませんか」
上記の3パターンで譲ってもらえる確率がどれほど変化するか調べてみたところ、
①
・5枚の場合:60%
・20枚の場合:24%
②
・5枚の場合:90%
・20枚の場合:42%
という結果となり、当然ですが譲っていただくための【本当の】理由を伝えた方が譲ってもらえる確率は1.5倍〜約2倍弱高まっていることがわかりました。
では③の場合ですがじっくり考えると、じっくり考えなくてもですがコピー機の順番待ちをしている人たちは、当たり前ですが皆さん『コピーを取らなければならないので』順番待ちをしているのであって、「急いでいるので」と比較した時には理由と言える内容ではないと、誰もが感じることでしょう。ところが実験結果は、
③
・5枚の場合:93%
・20枚の場合: 24 %
ととなり、20枚の時には①と変わりませんが5枚の時には驚くことに②の【本当の】理由を伝えた時よりも、【もっともらしい】理由を伝えた方が譲ってくださる確率が上がったのです。
上記の実験例だけでなくご自身のコトを振り返っていただくと、自分へのご褒美という言い訳を作って、今まで我慢していたことややりたかったこと、買いたいものを買ったことがある方もかなりいらっしゃると思いますが、それの行動も『自分へのご褒美』というもっともらしい理由をつけているからこそ、何かをしたり買ったりという行動ができているという顕著な例ですよね。
売上アップへとつながる行動を促すには
ストーリーが重要
自分のことをアピールするのが日本人にとって、自分にまつわるものに関する情報発信をする際に
「自慢話を聞かされてるような感じではないのか」
とか、
「他も当たり前にやってることだからわざわざ伝える方が恥ずかしい」
といった感情を持たれてご自分自身や自社のこと、ご提供なさってある商品やサービスの魅力をうまく伝えることがイマイチ得意じゃない、何に魅力を感じていただけているのかが分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
ご自分で分からないものは人に聞くこと、特にご愛用してくださってあるお客様がいらっしゃれば、前者の場合も後者の場合も前回の記事『集客アップや売上アップのアイデアを生み出すアンケートの作り方』で書かせていただいた、集客アップと売上アップにつながるアンケートをご活用いただいて自社の魅力を再発見なさってください。
そうすることであなたやあなたの会社ならでは、あなたがご提供なさってある商品やサービスならではの魅力あるストーリーを作ることができるはずです。
また、そもそもなぜ今の商品やサービスをご提供されようとなさったのか、そのキッカケを改めて思い出してみてください。
元々あなた、もしくはあなたに近しい人々が何かしらの悩みを持ってあり、その悩みを解決するために色々と調べていく中でご興味を持たれたり、勉強なさったり人に悩みを打ち明けたりするうちに、ご自身や周りにいらっしゃる近しい方々の悩みを解決できる手段としてその商品やサービスをご活用したり、商品やサービスを開発されたというパターンがほとんどなのではないでしょうか。
であればそのことを順序立ててお伝えすることは難しいことはないでしょう。
例えば以下のような感じです。
◎ 悩みを抱えていた以前の自分
↓
・何に悩んでいたのか
・どんな気持ちで過ごしていたのか
◎その状況を変えるためにどのようなことをしたのか
↓
・ 簡単に解決手段に到達できたわけではないと思うので、その過程を細かに失敗したことなどもお伝えする
・どのような思いで過ごしていたか
・行動する中でどのような気づきや学びがあったか
◎どのような変化があって商品やサービスが認知され売上がアップするようになったか
↓
・認知されてない、売れてない状態がどのようなことがキッカケで認知され売上がアップしていくようになったか
・これからどのような思いで商品やサービスをお届けしたいと思っているのか
と言ったことなどであれば、お伝えできることは相当にあるのではないでしょうか。
文章の上手い下手はトレーニングですので、情報発信をすることを続けていれば分かりやすく伝えることや、より人の心に印象に残るような文章は書けるようになるはずです。
印象に残り人の心を動かす文章が書けるようになりたければ、ご自身が心を動かされた文章を書き写してどの部分に心が動かされ、なんでその部分に心が動かされたかを分析すれば、人の心を動かす文章の傾向がつかめるはずです。
この辺りはライティングの話になるので、詳しくはまた別の機会にお伝えしたいと思います。
ストーリーを伝えることで企業に対する
共感や愛着をアップさせ売上アップにつなげた事例
ソーシャルメディアを企業の広報活動や顧客との関係性構築に活用していない企業は、大手と呼ばれる企業ではほぼないと思われ、逆に小さな会社こそ無料で広報活動ができる手段として活用されてある企業や個人事業主の方も非常に多いと思います。
しかしながら、一方的な情報発信になって情報発信を行っている企業や商品、サービスに対しての共感や愛着を醸造する、顧客や顧客となり得る方とのコミュニケーションがシッカリと図れている企業や個人事業主の方は、それほど多くはないのではないでしょうか。
とはいえソーシャールメディアを活用して情報を発信し、顧客や顧客となり得る方々とその企業ならではのストーリーを伝えるコトで上手にコニュニケーションを取り、その企業に対して共感と愛着を生み出し売上アップにつなげている企業も存在します。
そのような好事例として取り上げられることが多いのでご存知の方も多いかもしれませんが、、シャープのツイッターの情報発信の仕方についてご紹介させていただきます。
シャープのツイッターはフォロワーが約438,000人もいらっしゃり(2018年1月現在)、そのつぶやきが約8,800件もリツイートされるなど、企業からの一方的な情報発信として受け取られているのではなく、そのつぶやきを見られる方々に共感を生み出しており、なぜそれほどの共感を生み出せるのかというと、そのつぶやきで『本音』と『ストーリー』が発信されているからなんです。
以下は、シャープの公式ツイッターの中の人としてご活躍されてある、シャープの社員である山中隆博さんの言葉ですが、
「本音」というよりは、個の感情を少しだけ出すという感じです。それがコミュニケーションの足がかりになるということは、当時すごく思いました。(シャープがサムスンと業務提携案を発表した2013年のこと)そのような個の言葉、個のふるまいが共感をよび、フォロワーも増え始めました。
一方、広告では顔の見えない、主語のあいまいな、だけど勇ましい言葉が氾濫していますよね。私はウェブでは上からではなく、下から、むしろ弱い存在であることが大切だと思ってます。弱い存在の発する、弱い言葉こそが共感を生むのではないでしょうか。(「100万回シェアされるコピー」より抜粋 著者:橋口幸生 誠文堂新光社より出版)
ということをおっしゃってあり、その時のツイートは以下の内容でした。
こんばんは。
自重しておりました…事情はお察しくださると、うれしいです
けれど…自重しておけばそれでよい…ということでもない、ですから…今から少し連投させてください
本日の資本提携の発表に関しては、すいません、私から申し上げることはなにもありません…率直に言って、私はなにも、わかりません…し今後のことも知り得ません、ごめんなさい
ですが、みなさまいただくお声は…拝読しております…なにより、拝読することが、まず私にできる…やらなければいけないことだと思ったので
なぜなら…昨年より、弊社への応援や共感のお声をいただいていた…ツイッターやFacebookの最前線に立っていたのが、私だからです
おそらく私は、この1年で、最も励まされたシャープ社員なんでしょう
そんな私ですから、弊社を応援してくださる、その理由や…拠り所のひとつが失くなった…と感じられる方がたくさんおられる、ことはよくわかっている…つもりです
その上で、中のヒトたる私がみなさまに、重ねてもう一度、お願いさせてください、中のヒトのシゴトは、いままで、そしてこれからカタチになる製品や活動を、知ってもらって…推しらせすることなので
どうかこれからも、弊社製品を気にかけてください、その存在を知ってください…そして願わくば、好ましく思っていただき、さらにあわよくば…みなさまの生活の中で使っていただけると、幸いです
どうかこれからも、よろしくおねがいいたします
(´-`).。oO(きょう一日、自重しながら、みなさまのお声を拝読しながら、心の中ではこのつぶやきを、くり返してました…
私のことは嫌いになっても…シャープのことは嫌いにならないでください
(´-`).。oO(流行りのアレだけど…存外、私の本心にしっくりきています
という内容をツイッターにて投稿なさってありました。
もしもこの投稿が、よくある記者会見のような発言者の感情が読み取りづらい、
「本日の報道にあった通り、弊社はサムスンと業務提携を結ぶこととなりました。会社が合併したり消滅することはなく、今までと同じように企業活動を安定的に継続してまりますので、お客様におかれましてはご安心なさってシャープ製品をご利用なさってください」
と言った感じの事務的な経過報告だけであれば、全く受け入れらることはなかったのではないでしょうか。
私が例を挙げた上記の文章は実際には発信されることのないような極端な例ですが、山中さんが渦中の会社の一社員として、「自分には如何ともしがたい状況である」という本音を語り、そのうえで今できることやお客様が抱かれる不安に寄り添いご自身の思いを綴ることで、シャープの公式ツイッターでありながら企業の無機質さを和らげ人気(ひとけ)、一個人として人間らしさを感じるストーリーが、例えば『もう少し長い目で見てやるか』といった感情、共感を生み出したのではないかと思います。
実際にこのような共感を積み重ねる本音やストーリーを発信することで、
「そのツイートで買いました!」
というリプライもたくさんいただくとのことで、売上アップにつながっているそうです。
ですので景気に関係なく、集客アップや売上アップにつながる情報発信をしたいのであれば、あなたが提供なさってある商品やサービスを提供したいと感じた原点に立ち返り、その時に感じたこと、何のために、誰のどのような悩みを解決したいと思っていたか、誰をどのようにより快適な状態に導きたいと感じたのか、商品やサービスがカタチとなるまでの試行錯誤や思いを、読みたくなるストーリーとして丁寧にお伝えすることが、
『とりあえずこれが必要というニーズ』
を超える、
『絶対にこれが欲しい! というウォンツ』
に変換させ、あなたの商品やサービスを活用してみたいというお客様に選ばれるようになり、売上アップに間違いなく繋がっていくはずです。
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